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RPA、ときどき雑記

「RPAはノンコーディングで自動化可能!」←わかる 「だからプログラミングできない人でも大丈夫」←それは違う

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RPAを提案するときに、RPAはプログラミングできない人でも扱えます!ってアピールをする営業には、毎度のことながら呆れてます。

そして、こういう売り文句で採用いただいた案件は、後でお客様に叱られがち。

「簡単って言ってたのに全然できないんだけど」

「メンバーが立ち上がるまで、もうちょっとしっかりサポートしてよ」

 

叱られるだけならまだマシで、プロジェクトが途中で暗礁に乗り上げたりしたら目も当てられない。

※後述しますが、「プログラミングできない人でも~」と口にすることを須らくNGと言うわけじゃないです

 

 

「いやいやRPAはノンコーディングなんだから嘘じゃないでしょ」って声もあるかもしれない。

というか、必ずしも嘘じゃないためにこの方便がまかり通ってしまうのが、始末が悪い

 

確かに、コードを書かない=ifとかforとか、プログラミングの言語を知らなくても大丈夫、とは言えると思います。

でもそれってかなり表面的な部分を言及してるだけで、本格的にロボットを組み始めたときのことは全く考慮されてないんですよね。

 

 

RPAとプログラミング

自身でロボットを構築しているユーザーの方ならわかると思いますが、RPAって、守備範囲の広いマクロみたいものです。

それが、(ほとんどの人にとって)コードを書くよりも遥かに明快なGUIで提供されているから、分かりやすいし、作りやすい。

 

ただ、ロボットの構築・動作における根本的な原理は

Aの動作の次はBをしなさい。成功したらC、エラーになったらDしなさい。コピーした値は後で使うからEに格納しておきなさい

という具合に、プログラムと同様に、

  • 分岐する
  • 変数を扱う
  • モジュールを呼び出す

という動作が、まともな自動化処理を組むなら避けて通れません。

「中級レベルになってくるとこういうのも必要なんですよね」とフォローしてあげたいですが、これらができないと、初級のロボットですら満足に作れない。

 

RPAは、プログラムの「言語」に精通している必要はないけれど、論理構造の概念が身についていないと躓くようにはなっています。

 

その事実を知ってか知らずか、「プログラミングできなくても使えます!」なんて喧伝するのは、セールスとしてどうなんでしょう。

 

RPAを薦めるという立場で気を付けること

もしこの性質に気づいていないなら、自分でも分かっていないものを売っている残念な営業です。

気づいていて、後々困ったお客様からサポート案件を受注しようなんて腹なら、最低な営業です。

使いこなせるわけのない高齢者にパソコンやスマホを売りつけて、Googleのアカウント作成するだけでウン千円とかやってる悪質なPCショップと変わらないですね。

※最低な営業が頻発しているという話ではなく、私の知る限りほとんどの場合は売り手の思慮不足ですけど

 

ノンコーディングで自動化処理が組めます!」なら、ツールにはよりますが、嘘ではないです。

でも、ちゃんと「分岐とか変数で混乱するなら向かないですよ」というのは、導入後の相手のために、きちんと前置きしてあげることが重要。

 

「安くてすごい効果をもたらします!」

「とても簡単です!」

は、導入を迷うお客さんの背中を押すための営業上の殺し文句というのは言いやすいし、言いたくなるのもよく分かる。

でも、言い方を間違えると、後々クレームになって「自分を殺す」文句にもなり得るということを、肝に銘じていく必要がありますね。

 

これは、営業だけじゃなく、ユーザー企業内で社内の別部門にRPAを薦める場合も同じことが言えるので注意が必要です。

「簡単って言うからやったのに全然できないんだけど!」

からの

「せめて立ち上げの部分だけでも手伝ってよ!」

のコンボはとってもつながりやすいです。

(「立ち上げだけでも」がまた断りにくいし、一度受けちゃうと沼が深いことが多い…)

 

まとめ

RPAは「ノンコーディングで自動化できるもの」だが、それが「プログラミング知識不要」には直結しない、説明の仕方を間違えれば関係者みんな不幸になる。

「RPAが持つプログラミング的性質(分岐、変数、モジュール等)」を把握し、必要な素養についてはしっかり理解してもらった上で進める必要あり。

※「モジュール」はRPA製品によって「ライブラリ」「BOT」「アクティビティ」など表現が異なります

 

 

不必要な事務処理から労働者を開放するという「幸福」をもたらすのがRPAのはずですから、些細な言葉のミスで不幸にならないように進めたいですね。