重要なことなので、本ブログではこの表現を何度も繰り返すことになると思うのですが、業務効率化ツールの急激かつ急速な進化と浸透で、ルーチンワーカーは淘汰されます。
これ自体は大昔から言われていることでしょうけれど、RPAは、この流れの中では明確なゲームチェンジャーになります。
そして、その流れに真っ先に呑まれるのは、派遣社員のような非正規雇用です。
RPAに仕事を奪われないために派遣社員にできることの一つに、「自分がRPAエンジニアになる」という選択肢が挙げられます。
ミイラがミイラ取りになればよいのです。
- 既に人材派遣会社はRPAをサービス化
- 人材派遣にもRPAスキルの存在感が高まっている
- 人材派遣会社は多くがWinActorと提携
- WinActor技術者になるための施策類
- 私でもRPA技術者になれるの?という不安
- 課題は学習環境
既に人材派遣会社はRPAをサービス化
非正規の雇用が危ない、というのは、つまり人材派遣会社としては経営の根幹を揺るがす重大な問題ですが、この流れに対して、多くの人材派遣会社は「自分たちのサービスにRPAを取り込む」という対応を取っています。
一言で、「RPAをサービスに取り込む」としましたが、実際には各社ごとにRPAとのつき合い方は様々です。
- 自社社員をRPA人材として育成し、高付加価値な人材として派遣する
- RPAコンサルまで手がけて、その後の運用人材の枠を創出する
- RPA操作研修を開催する
人材派遣にもRPAスキルの存在感が高まっている
ある展示会で、出展していた人材派遣会社のRPAサービス部門の方と話をする機会があったのですが、やはり既にRPAスキルは人材派遣業においてもその重要度をかなり増していると行っていました。
RPAのスキルや経験を、経歴に書いてアピールするケースも出てきているし、実際にそれで価値が高い人材と見てもらえるそうです。
人材派遣会社は多くがWinActorと提携
RPAサービスを手がける人材派遣会社は珍しくないですが、その大半がNTT-AT社のWinActorを担いでいます。
これは以下のような背景があると思われます。
- 国内シェアNo.1であること
- 国産ツールであり、日本語ベースで開発されていること
- RPAツールの中でも技術習得の難度が低く、人材を育成しやすいこと
- 各代理店がヘルプデスクを有しており、サポートを受けやすいこと
WinActor技術者になるための施策類
RPA人材のニーズが高まる中で、開発を行っているNTT側でも、制度設計や関連サービスを充実させています。
①技術者検定の開始
RPAの技術レベルを「アソシエイト」「エキスパート」「プロフェッショナル」とレベルを分けて資格認定する取り組みが2018年から始まっています。
先ほど「経歴にRPAスキルや経験をアピール」という話がありましたが、まさにこの延長で、資格欄や名刺にRPAのレベルを記載することができるようになったのです。
②技術者研修サービスの拡充
技術研修サービスもかなり増えてきています。
また、これらの研修も検定同様に、初級・中級・・・といった形で、レベル分けされています。
人材派遣会社以外の企業でも、研修を開講しています。
③検定対策本の販売
2019年2月には、NTTデータとヒューマンアカデミーにより①の検定の対策本が発売されています。
【RPA技術者検定受験者必見!】NTTデータ監修の検定対策本(電子書籍)が発刊されました! | RPA 国内シェアNo.1 「WinActor(ウィンアクター)」|NTTデータ公式サイト
RPAコンサルなんてやっていながらお恥ずかしいですが、個人的には検定の勉強は紙でやりたい派なので、電子書籍オンリーはちょっと残念です。
というか、「WinActorのソフトは自前で」って、会社でしか勉強できないってことですが、これはどう考えているんだろう。
私でもRPA技術者になれるの?という不安
不安としてはごもっともだと思います。
ただ、RPA、少なくとも今回紹介したWinActorを扱うのにプログラマとしてのバックボーンやスキルは必要ありません。
とはいえ、「分岐って何?」という方には厳しいのも事実です。
Excelマクロが抵抗なく扱える方であれば、大丈夫と思っていただいてよいでしょう。
不安な方は、一度代理店が開催しているWinActorの無償ハンズオンセミナーに参加すると、感覚がつかめるかと思います。
恐れることなく、一度体感してみることを、お勧めいたします。
課題は学習環境
とはいえ、RPAは現状BtoBサービスであり、個人向けの販売はされていないことが多いです。
RPA研修や教材の価格を見ても、企業が自社の社員向けに受けさせることを前提にした価格帯になっていたりするように見受けられますね。
今回触れませんでしたが、UIPathは個人でもDL(しかも無償!)し、勉強できる有力なRPAツールです。
逆に、広い層をターゲットにしているはずのWinActorは、技術者を養成する環境が企業内にしかなく、門戸を万人に向けたいのか狭めたいのか、よくわかりませんね。
早くMicroSoftがオリジナルのRPAを、一般層向けに安価に販売する時代が来てほしいものです・・・。